『ヨリヲモドス』という言葉。
離れた男女が再び寄り添いなおす
とかに使われるのだけれど。
だから『ヨリ』は『寄り』だと思っていました。
この大好きなバラの図案を刺す度に、ため息ばかり。
バラの輪郭はチェーンステッチなのですが。
チェーンステッチは五目くらい刺し進めれば、二本どりの糸はネジネジの状態になって、美しいチェーンは描けなくなる。
だから、針を糸の根元まで下げて、そのネジネジを逆回転させ、まっすぐ素直な一本の糸に戻します。
そんな面倒な過程を何回も何回も踏んで、やっと仕上がるバラなのです。
刺す作業は全然苦にならない。
でもこの戻す作業は、すごく消耗します。
『ヨリヲモドス』は『縒りを戻す』と書きます。
フラットな状態に戻すこと。
チェーンステッチと向き合って、本当の意味を体感しました。
人間関係や夫婦関係でも同じ。
ひねくれて個性的なチェーンも面白いけれど、やっぱり私は素直な糸で、美しいチェーンステッチを描きたい。
それを積み重ねれば、絶対に美しいバラが咲くと思うのです。
刺繍から教わること。
たくさんあります。